必要だから存在しているのだ。しかし、本来企業が求めている人材は就活塾に行かない人ではないか?それは、「就活塾に行かないと就職できないような人を求めていない」からではない。むしろ、「企業が求める人材」と「自分の強みやポテンシャル」の接点を見つけ出そうとすることなく、「答え」を求めてしまう人材を企業が求めていないからではないか。
自分の強みやポテンシャルを認識することは難しい。でもそれを分析することこそ意味があり、将来的な仕事にも役に立つのだ。それは「企業が求める人材」を考える上でも同じことだろう。
正直就職後に自分が面接を受けていた際の業界や企業に対する発言を見直すととんちんかんなことを言っていたり、理解が足りないこともある。しかし、部分的には理解不足でも全体像としては十分把握していたり、間違った場合でもそのように考えた根拠や推論があるならば、理解が不足している部分があること自体は面接で問題にならないはずだ。そもそも学生が業界のことを知り尽くしているわけがないし、そういった業界や企業のことは入社後に徐々に学んでいければよいのだ。
面接で大事なのは、面接官の発言を理解し、答えを知らない質問に際しても事実に基づいて自ら考える姿勢をもち、考える能力があり、それを他者に説明できる能力ではないだろうか。
個人的な経験の範囲で言えば、内定を複数もらったうちいくつかの採用担当者に採用した理由を尋ねてみたが、共通していたのは「実際にチームにいて働けそうだという印象をもった」ということだった。
抽象的な答えだが、実際働く際に基本となるのはやはり、指示を理解し、やるべきことを考え、自らの行動の意図をしっかり説明できることだ。これのどれがかけても仕事がスムーズに運ばない。
そもそも指示が理解できないと作業ができない。では、指示を理解するにはやはりなぜその指示を出したかを考えてみるのがよい。その狙いは何か。効果は何か。これは面接においても、面接官は何を知りたくてそのような質問をしているのかを知ることができれば、自ずと大きく的を外した答えは出てこないはずだ。
やるべきことを考えることができれば、それは指示を理解する手助けにもなる上、指示にないが必要なことをカバーすることもできるようになる。やるべきことを考える事ができないと、指示に付いて行くのが精一杯になってしまい、ミスも多くなってしまう。
最初は誰でも間違えるが、なぜ間違えたのかをしっかり説明できれば、他の人が間違えないように教えることもできるし、なぜ間違えたのかを考えることが出来れば自己修正もできる。
面接官は候補者がこれらのことができるの人材であるかが知りたいのだ。「働いたことがないからわからいない」というのなら、知り合いに聞くこともできるだろう。自分が面接官役になってその思考をなぞってみるのもいいだろう。
自分が面接官だったら、いかにも就活塾習ったような模範解答を答える学生と自分の頭で考え自分の言葉で表現しようとしている学生のどちらに内定を出すだろうか。
不安なのは皆同じ。塾に入る前に、相手が何を求めているのかを考えてみた方がいいのではないか。