一鳴驚人日記

外資系企業でM&A関係の仕事をしている若僧のブログ。キャリアや時事ネタに関してその時々に感じたことを書いていきます。

奨学金という名前はやめて学費ローンという名前にするべきではないだろうか

先日以下の興味深い記事を読んだ。


奨学金を延滞している50%近くが、お金を借りた時に『返済しなくてはいけないこと』を知らなかった統計データが存在する。 - クレジットカードの読みもの


記事のタイトルの通りなのだが、興味深い部分を引用する。

無滞納者については90%以上が手続き前に『奨学金の返済義務を知っていた』と答えているのに対し、延滞者についてはわずか55%弱。残りの45%は手続き中に認知したか、もしくは手続きが終了してから返済義務を理解したことがわかります。

(太字は本ブログ筆者による編集)

返済延滞者の多くの人が、返済義務があることを知らずに奨学金を利用し、結果として返済に困っているのだとしたら、条件も確認せずに借りる本人にも当然問題があるが、確認せずに借りることができる制度自体にも問題があるのではないかと思う。


返済義務のある奨学金は立派な金融商品であり、それは株式投資や住宅ローンを借りることと本質的に何も変わらない。株式投資等であれば、契約の前に契約条件について理解をしているということに関して少なくともサインをする必要がある。自分は奨学金を借りていないので、細かいプロセス自体は知らないが、奨学金はローンです。住宅ローンなどと同じように、借金をすることになり、将来返済する必要がありますが、奨学金を利用されますか。」という確認書を必要申請書類としてもいいのかもしれない。こうすれば、返す必要があると知らないで借りる人は流石にいなくなるはずだし、A4で何枚にも渡るような詳細な条件の中に埋もれて、全く読みもされないということも無いだろう。こういったことがすでになされているにも関わらず、現状のような状況なのであれば、それはさらに驚きだが。


そもそも奨学金という言葉自体、返済不要であるのか返済が必要であるのか名前からはわからない。学業を奨励するというその趣旨を表しているということなのだろうと推察するが、例えば米国だと返済義務がないものは「Scholarship」、返済義務があるものは「Student Loan」などと区別されており、名称から明確に返済する必要があるかどうかがわかる。


日本でも返済義務のある奨学金はいっそのこと「学資ローン」という名前に変更してしまってもよいのではないだろうか。そうした方が、返済義務があることが一目瞭然となり無用な誤解も生まず、学生が社会人になってある日突然まとまったお金を返済しなければならないということに気づき途方に暮れるということも、そういう人が多くて延滞率が上がって貸す側が困るということもなくなるだろう。