先日10%セールがあるのでお店をぶらぶらしいて、気に入ったものが見つかったので買おうか迷った。
値札を見てみると、「値段+税」と書いてあった。
最初は「そういえば、増税による需要減退を緩和するために、税抜表示をしてもいいことになったんだっけ」ぐらいにしか思わなかったが、割引の計算をしているうちに、値札に書いている値段からに8%の消費税がかかってそこから10%割引となると、実際には2%しか割引されていないということになることに気付いた。
実は増税前で税込表示だった時も税額分を除くと実質的には5%割引でしかなかったが、それでも3%の違いがある。さらに、見え方としては値札から10%割引されて何ともお得感がある。
例えば、なんとなくウィンドウショッピングをしていて、気にった服を見つけたとして、セールになるまで待とうと思った時に、今まではセールになれば10%お得という感覚だったのが、今は2%しかお得にならないという感覚になってしまう。
10%割引ならわざわざ出かけて買いに行こうと思っても、2%割引だったら敢えて買おうと思わない人が多いのではないだろうか。
そうなると行動は2パターン考えられる。
1つ目はセールまで待っても大して安くならないのなら、今のうちに買っておこうという心理が働いて、消費行動が前倒しで起こるパターン。
2つ目はセールまで待っても大して安くならないのなら、予算オーバーだから購入をあきらめるパターン。
たとえ当初から税込表示をしたとしても、割引率が上がらなければ税金を考慮した実質的な割引率は2%で現在の表示方法と何も変わらないのだが、この先ずっと(現在の法律では税抜表示が許されるのは2017年3月31地にまで)実質的な割引率(の減少)を意識させるのが、需要にどう影響するのだろうか。個人的には実は増税は意識されても税込表示のほうが良かったのではないかと思うが、今後の結果が気になるところだ。
生活必需品も実際には便乗値上げが結構確認されているし、上述のセールでの割引幅の縮小も起きているので、販売数量の低下が一時的なもので収まれば、実は企業の業績にはプラスの影響がでるかもしれない。
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