最近セルサイドの案件でDD対応の担当をして改めて思うことがいろいろあったので、まとめてみる。
DDの対応は大きく3つに分類できる。
1. 資料自体の管理
2. 対象会社に対する対応
3. 買い手に対する対応
以下詳しく見ていくことにする。
1. 資料自体の管理
- 資料の授受の確認及び管理シートへの反映
基本中の基本。単純なことだが、大量の資料が飛び交い、修正版も出てきたり、部分回答もあると結構大変。大事なのは一元管理。
2. 質問や資料リクエストに対するターゲットの対応の補助
- 何をリクエストされているのかをわかりやすく説明する
質問者(大抵は買い手のアドバイザー)の質問が丁寧でわかりやすいことと、対象会社の担当者の国語力が高い場合は不要。しかし意外とこの二つが揃うことは珍しい。質問者はテクニカルな用語を使いがちだし、対象会社が中小企業だと担当者のレベルがそもそも低い場合もある。
- なぜ必要なのかを説明して協力的に作業してもらう
売却される部門にとっては、日常業務にプラスしてやらないといけないので負荷がかかる反面、親会社や本部が変わるだけで、メリットが特にない場合も多く、積極的に協力してもらうにはしっかり納得してもらう必要がある。
- 回答のチェック(数字の整合性や質問の趣旨への適合性、該当資料が存在しない場合の代替策)
大量の資料を準備する場合、普段十分に資料を作成していない場合には、資料間で数字が一致しない場合もある。また担当者の国語力が低い場合には、質問に満足に答えられていない場合もある。これらの状況が続くと、追加質問が延々と続き、対象会社の負荷も減らない反面、買い手も対象会社の状態を明らかにするための時間を有効に使うことができず、互いに不満が溜まりやすくなってしまう。
3. バイサイド対応
- 期待値のコントロール
対象会社の体制や通常の管理などに起因して買い手の要求に迅速に完全に答えることが難しいケースも当然発生するが、以下にうまく不満を抱かせないようにするには、相手のニーズを正確に把握して最重要な部分は最低限対応しつつ、誠実に対応していることを理解してもらえるような印象を与えるコミュニケーションが重要となる。期待を下回ると不満が溜まるので、以下に期待下げるかが重要。
- 過剰な要求の整理
中には到底対応しかねる要求が来ることもあるが、しゅしをしっかりと確認し代替策を提案したり、必要に応じて売主に相談することも大切である。
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