一鳴驚人日記

外資系企業でM&A関係の仕事をしている若僧のブログ。キャリアや時事ネタに関してその時々に感じたことを書いていきます。

エルメス レザー・フォーエバー展

ひょんなことから国立博物館で開催されているエルメスの展示会に行ってきた。


ご存知エルメスはブランドの中のブランド。ブランドもの、特に女性物にかんしては全くの門外漢である私でさえも、エルメスという名は聞いたことがあるというハイブランド。


バッグひとつで数百万するというものだから驚きだ。バッグと車どっちがほしい?と聞かれたら、私は迷わず「車」と答えてしまいそうだが、世の中の女性はきっと即座に「当然エルメス!」と答えるものなのだろう。


噂には聞いていたものの、実物をよく見てみたことは無いので、ならば「果たして数百万の価値はどこにあるのかみてやろうじゃないか」ということで、今回この「エルメス レザー・フォーエバー展」に行ってきたのだ。


Hermès — エルメス レザー・フォーエバー展


場所は、上野公園にある東京国立博物館の正門を入ってすぐ左の「表慶館」というところだ。


通常のチケットカウンターではなく、正門左側の出入口の方に専用のチケットカウンターがある。ここに行くとケータイでエルメスのウェブページにアクセスするように指示され、それを見せると無料でチケットがもらえる。


入館する最初に色とりどりの様々な動物の革が展示されいる。

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今まであまり注目したことがなかったものの、革は素材の種類によって、光沢、手触り、硬さなど千差万別だ。観客はやはり女性が多かったが、引っ張られてきた男性もそれなりにいた。女性にとっては、好きなバッグなどが好きなだけ拝めることに加えて、夫なり彼氏なりを啓発することもできて一石二鳥かもしれない。


次に色とりどりのエルメスの革製品が展示されている部屋で、どのようにバッグが作られるのかを機会や人が説明してくれる。

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まず、こちらの写真では、一枚の皮からどのようにバッグ等が切り取られるのかをライトで図示してくれる。

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また、フランス出身の職人が実際に作っている場面を見せてくれる。そして、隣にフランス語の通訳がついて、職人の説明を通訳しつつ、観客の質問にも答えてくれる。

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そこを通り抜けると、エルメスの歴史を紐解きながら、代々流行した製品、当時の革新的な製品などの出番となる。バッグというものが発明される前の19世紀の製品から、深海に沈んだ船から引き上げられた皮を使って作られた珍しい品まで、一つ一つが芸術品としても興味深いし、一つ一つに秘められた物語もまた観客を飽きさせることがない。

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一つ一つの展示では製品だけでなく、その展示方法からもブランドとしてのセンスが感じられ、バッグがすきでなくともコンテンポラリーアートとして楽しむこともできる。

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業界を代表する企業というのは例がなく革新的であることもわかる。創業当時の馬具の製造でも高い評価を得ていたようだが、エルメスのブランドを一層高めたのは、アメリカで発明されたファスナーを初めてバッグに取り入れたり、車の普及を見越して車を使用した旅行に最適なバッグの開発を行う等のイノベーションだったのだ。


また、女性が持ち運びしやすいようなデザインのバッグを開発する話も展示されているが、今で言えば、人間工学に根ざしたデザインを大切にしてきたこともわかる。


最高級の革を素材に、イノベーティブでハイセンスなデザインの製品を、オーダーメイドで職人が手作りで丹精こめて作り上げ、顧客に届ける。


バッグひとつが数百万に値するかどうかは、結局主観的なものだが、見る前と見たあとではすくなくともより納得できるように思えることは確かだ。


2014年12月23日まで開催しているようなので、興味がある人はぜひ訪れてみてはいかがだろうか。