現在企業が採用活動を行う際には、面接を課すことが一般的だが、「たった10~20程度の面接を何回かやっただけでは、候補者のことを対して理解出来ない」という批判を聞く。
では、面接を通して候補者の何がわかるのだろう。候補者の全ては当然わからないにしても、採用するべきかどうか判断するのに必要なことは少しはわかるのだろうか。
面接で少なくとも、わかるのは候補者が「相手が理解できるように説明することができるかどうか」ということだと思っている。例えば、筋道立てて話す、要点だけを話す、事実と意見を分けて話す、全体像を述べてから細部を話すなど。
内容は志望動機や自分の過去の経験かもしれないが、それでもその人の説明の仕方によって、聞く側にとってのわかりやすさもかわるし、印象も大きく変わるものなのだ。志望動機や自分の過去の経験を筋道立ててわかりやすく説明できる人は、仕事上でも物事を筋道立ててわかりやすく説明できると期待することができる。
そして「相手が理解できるように説明することができるかどうか」は仕事をする上で非常に重要な能力だ。なぜ、そうなのかに関する考察は別の機会に譲るとして、要するに仕事はチームでやることが多く、その場合には必然的に自分以外の人に情報を共有する必要が生まれるためだ。現状や直面している困難を説明できなければ、上司に判断を仰ぐこともできなければ、同僚と協力することもできない。
「相手が理解できるように説明することができるかどうか」はどんな面接でも必然的に面接官にわかってしまうという点も考慮すると、「面接を受けるためにどんな準備をしたらいいかわからない」という人は、まず、「相手が理解できるように説明することができるかどうか」という点から自分を省みて準備に生かしてみてはいかがだろうか。
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