一鳴驚人日記

外資系企業でM&A関係の仕事をしている若僧のブログ。キャリアや時事ネタに関してその時々に感じたことを書いていきます。

仕事は何を軸にして選ぶのか

 自分が現在担当しているM&A案件で、頻繁に売却対象になっている会社に出入りしているのだが、最近は就活生の姿をよく見かけるようになった。面接はまだなのだろうから、会社の説明会に来ているのだろう。

 
そうした学生たちの姿を見ながら、「この学生たちが内定をもらったら、今イメージしているものと、制度も文化も結構異なる会社に入社することになるんだなぁ」とふと思った。正式には決まっていないが、現在の計画では資本が変わると同時に、新たな制度や人員が導入され、それによってビジネスもカルチャーも相当の変化が生じることになっている。
 
そうして思ったことは、処遇や会社のカルチャーによって会社を選ぶのは、自分が望まぬ結果につながる可能性が高いのではないかということだ。
 
就活生の中には多かれ少なかれ、「この会社に入れば将来が安心」「給料や福利厚生が充実している」「職場の雰囲気がよい」といった理由で志望企業を選ぶ人がいるのだと思う。
 
しかし、今日の状況ではいつ倒産したり、業界再編で他社と合併したり、するかわからない。倒産はいわずもがなだが、他社と合併すれば、当然ビジネスの仕方も、職場の雰囲気も、福利厚生制度も変わる可能性が高い。そうなるとそれらのことを基準にして志望企業を決めていた場合には、結果的に自ら望んだものと全く異なる状況に置かれる可能性が高い。
 
近年、シャープやパナソニックが業績悪化で大規模なリストラを断行していた際には、「10年前は超優良企業だったので、入社当初は生涯安泰だとおもったのに。。。」という趣旨の話が、ニュースで報道されていた。ある企業が10年後どのような状況になっているかなんて正直誰にもわからないのだ。
 
では、何を基準に就活をしていけば良いのだろうか。それは、「何をするか」ということではないだろうか。
 
自分はどういった業界でどのような仕事をしたいのか。商社でインフラプロジェクトを交渉したいのか、銀行の窓口業務をやりたいのか。そういったやりたいことを軸にして仕事を探すのだ。
 
そうすれば会社が潰れても、M&Aで他社と合併しても、企業内の改革が起こっても、他社に移るか、他社の人と一緒にやるかという違いはあっても自分が望んだことができる。望まない状況に置かれる可能性は低くなる。自分の銀行が潰れても他の銀行でも窓口業務はできる。
 
就活生は「どのような環境で」仕事をするかではなく、「何をするか」仕事かを考えて就活に望んでみるのがいいのではないだろうか。そう思いながら説明会に向かっていく就活生を見ていた。