一鳴驚人日記

外資系企業でM&A関係の仕事をしている若僧のブログ。キャリアや時事ネタに関してその時々に感じたことを書いていきます。

マルチタスクをする上で重視すべき3つのこと

「マルチタスク」は本当に悪いのか、科学的に解明してみた : ライフハッカー[日本版]

 

「記事によればマルチタスクは、非効率で良くない」ということだが、仕事をするうえで現実にはマルチタスクが要求される場面は多いのではないかと思う。こと投資銀行M&Aアドバイザリー関係で働く人にとっては、必須の能力・スキルである。

 

新人君ならいざ知らず、2~3週間も働けば、2つ以上の案件を同時並行で進めることは至って普通のことであるし、ピッチしながら案件遂行、M&AのFAをやりながら資金調達関連業務をこなす、バリュエーションモデルを作りながら契約書のマークアップといったことが普通に求められるし、行われる。

 

事業会社に勤めたことがないのだが、事業会社でも複数の案件を同時並行で進めいていくことは求められるのではないかと思う。

 

仕事のスピードには個人差があるが、肝心なのは如何にすべてのデッドラインを満たしつつ、期待された仕事を処理していくかということだ。

 

そのために個人的には以下の3つのことを重視している。

  1. 何を求められているかを明確に把握する
  2. できることとできないことを早い段階で明確化する
  3. 優先順位をつけて実行する

 

<1.求められていることを把握する>

まずはこれが何よりも大切だと思っている。目指すべき到達点が把握ができていないとマルチタスクどころか、ひとつの仕事も満足にできない。しかし意外とこれが難しい。それは、例えば自分が初めて携わる仕事であるといった理由で求められていることを理解できないこともあるだろうし、依頼者の依頼自体が不明確なこともあるだろうし、原因は一様ではない。しかし、何をいつまでにどのようにすれば良いのかがわからない状況ではミッションが達成できないことは保証されているようなものだ。

 

例えば、上司はできるだけ早く、概要がわかるようなレポートを提出してほしいと思っている時に、時間をかけて非常によく調べ示唆に富むレポートを上げたとしても、自分が費やした時間やエネルギーに見合う評価をされないかもしれない。どんなに完成度の高い内容でも、締め切りに間に合わなかったら、意味がないのだ。スピードを重視している相手に対して、完成度に注力してしまったのがいけないのである。

 

<2.できることとできないことを早い段階で明確化する>

求められていることがしっかり把握出来たところで、今度はそれが自分にとって実行可能なのかどうかを判断する必要がある。品質に到達できない、納期を守るのが難しいなどの理由で依頼の全てに答えることが難しい場合も当然ある。そういう場合は自分がどこまで出来るのか、他のやり方(もっと簡易なやり方、時間が節約できるやり方)でできないのか、他にどのようなリソースが必要なのかという点を事前に依頼者相談しておくようにしている。

 

依頼者の究極の目的はあくまでニーズが満たされることであり、できない時はできないといえば、他の方法でそのニーズを満たせばよいのである。最悪なのができそうにないのに引き受けてしまい、結局できないという結果に終わることである。これは自分が苦労するにも関わらず依頼者のニーズもみたされないので、いいことは皆無だ。

 

依頼された多段階では自分がどこまでできるかわからないことも時にはあるが、そのようなときでもまずやってみて、ある程度わかった段階ですぐに依頼者に報告&相談をする。時間が経てば立つほど依頼者の期待値は高く、問題なく進んでいるのだろうと思われてしまうので、できるだけ早い段階で相談する。

 

<3.優先順位をつけて実行する>

ボトルネックをまず特定し、今すぐやるべきことを常に考える。当然締め切りが近いものから手を付けるべきだ。また、自分でスケジュールをコントロール出来ないことは一番最初にやるが鉄則。例えば、他の人に頼むべきことはまず最初依頼する。そして、簡単にできることはすぐにやる。難しいことから取り組んで、そこに時間を費やして、納期が近いのに何もできていないという状況が最も困る。難しいところに時間がかかることは理解を得られやすい反面、簡単なところができていないと依頼者の不満はたまりやすい。

 

仕事はできるのにうまくプロジェクトが回っていない人や頑張っているのに依頼者の満足度がそれほどでもないケースと言うのは大抵先に挙げた3点のどれかに齟齬があると感じている。

 

FAはただでさえ様々な業務を同時にこなしてくことを求められる上、M&Aの案件をを進めていく過程では、問題が発生してその都度対処していくことが必要になる。その中で複数の案件に携わっていれば、時間はいくらあっても足りないということは出てくるものだ。そういった状況で、クライアント、上司、チームの期待に応え、ニーズを満たしていく上で、マルチタスクは不可欠なスキルなのだ。

 

 

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