一鳴驚人日記

外資系企業でM&A関係の仕事をしている若僧のブログ。キャリアや時事ネタに関してその時々に感じたことを書いていきます。

IBに勤めて感じたワークライフバランスの大切さ 

ワークライフバランスは仕事とプライベートの「陣取り合戦」ではない | ライフハッカー[日本版]


記事を読んで、まさにその通りだなぁと。


新卒で就活している時は、

1. 優秀な人材が多くて、
2. 自分が成長できて、
3. グローバルな環境で仕事ができる

職場で働くことを考えていので、全くワークライフバランスを考えなかった。IBへの勤務が決まってからも、長時間労働で有名な業界に自ら進んで飛び込んでいくぐらいだから、全くこれっぽっちも考えたことがなかったし、「IBに行こうとしてワークライフバランスなんて言っている奴は馬鹿なんじゃないか」と思っていた。そのあと一時期深夜も週末も関係なく働くワークワークバランスをとる毎日を続けた。


人間なので「今日(=週末)は休みたい」、「今抱えているタスクをとりあえず投げ出して友達のパーティに行きたい」ということはあったが、仕事のスケジュールを考えるとやはり「休んだり、遊びに行ったりする代わりに働いておこう」、プライベートの時間を増やすとワークの時間が減ってしまうというゼロサムゲームを意識した状態になってしまっていた。


しかしそのような働き方をしていると、働く意欲がどんどん下がる。「クライアントにとって何が良いのか」ということよりも、「如何に早く今取り組んでいる仕事を終わらせるか」を意識するようになってしまう(当時の自分にはやりがいを見いだせる案件がなく、責任感だけで日々の仕事をこなしていたということも関係していると思われる)。週末も働くことが前提だと、「今週末もどうせ働くのだから、これは週末に回してしまおう...」と、すぐにその場で仕上げる・解決するというモチベーションが維持できず、逆に効率が悪くなるという悪循環に陥っていた。


M&Aアドバイザリーの仕事に携わっている以上、案件の繁忙期には深夜も週末も関係なく働くことになる(IBがなぜ忙しいのかはこちらのエントリー参照「なぜM&Aアドバイザリーはいつも忙しいのか - 一鳴驚人日記」)が、今では週末は休めることが多くなってきた。そうすると週末にリフレッシュして、平日の仕事でも精神的に余裕が生まれ、残業できつい状況でもいろいろなアイデアを出したり、積極的に手を動かしたりして、仕事を早く終わらせることではなく、クライアントにとって最良のサービスをすることを考え抜くモチベーションが高まったことが実感できる。


また、週末は休むことを前提にしているため、プロジェクトが忙しくても、「週末の前に終わらせて、週末は...しよう!」というモチベーションで、どのように効率的にタスクを行っていけば、週末に仕事を持ち込まずに済むか(もちろんクオリティを落とさずに)ということも意識するようになり、却って効率的に働けるようになった。


親しい人と過ごしたり、勉強したり、運動したり、趣味に使ったりするのが理想かも知れないが、ただボーとしているだけでも、決して無駄ではないのだ(せっかくの休みを有意義に過ごせなかった罪悪感は避けられないけど)それが結局は生活にメリハリを生み出して、結果的に仕事に対するモチベーションやインスピレーションにもつながるのだ。


だから今はできるだけ週末に予定を入れるようにしている。それは実は自分の仕事上のメリットのためでもあるのだ。