一鳴驚人日記

外資系企業でM&A関係の仕事をしている若僧のブログ。キャリアや時事ネタに関してその時々に感じたことを書いていきます。

うっかりミスをなくすために気をつける3つのこと


うっかりミスの多い僕が!うっかりミスを無くした方法 - それでもみれでも

たまたまうっかりミスについての記事を読んでいろいろと思うところがあったので、今回はうっかりミスについて書くことにする。うっかりミスって怖いですよね。指摘されて見てみると、明らかにおかしいけど、そう資料に書いたのは自分。こんな簡単なことがわかっていないわけじゃないし、こんな間違いをするなんてありえないと思うけど実際にはその間違いをしている。


投資銀行やプロフェッショナルファームでミスをすると容赦なくつめられるか、呆れられて次からは同様の仕事が回ってこないというようなことがよくある。特にバリュエーション(企業価値の算定)業務や財務分析に携わる場合、数字上のミスに対しては厳しい結果が待ち受けていることが多い。それは数字で商売をしている以上当たり前のことなのだが、そうはいっても人間なのでミスはする。そこで自分はミスをしないように以下の3つのことをやるようにしている。


1. 必ず見直しをする
2. ミスを検出する仕組みを作る
3. フォーマットを整える

1. 必ず見直をする

当たり前だけどやはりこれが一番大事。最初からミスをしないようにできるならそれに越したことはないが、人間はミスをする生き物だ。ミスする人としない人の違いは頻度の違いに過ぎない。ミスをする前提でいれば、見直すことは当然のことだ。「ミスなんてたまにするもんだ」という意識で見直しをしていると「だいたい問題ないだろう」というような気の緩みが原因で見落としが発生することもある。見直しをしているにもかかわらず見逃すのだ。しかし、必ずどこかはミスをしているという前提に立てば、このような見落としをする可能性も低くなる。特に重要な点、経験上自分が間違えやすい点を意識しながら、プロセス全体を一回たどってみるのが良い。

2. ミスを検出する仕組みを作る

例えば、財務モデルや定量的な分析を行う場合、理論的に一致すべき場所が一致しているか、別の方法で計算した結果と一致しているかを自動的に確認する式を数か所に入れる。前者の典型例は、(当たり前すぎてやらない人はいないと思うが例としてわかりやすいので)BSの貸借が一致しているかの確認をすることであり、後者の典型例は、フリーキャッシュフロー(FCF)が営業利益と当期純利益のどちらを出発点にしても計算できることを利用して両方の計算でFCFが一致するか検算することである。大抵のことは、2つやり方があるし、仮に同じ計算だとしても2回やった場合に2回とも間違える可能性は低い。

3. フォーマットを整える

エクセルで分析するときには常にフォーマットを整える。エクセルで定量的な分析を行うことに長けている人は例がなくエクセルの分析シートの分析ロジックをフォローすることが容易であり、フォーマットも整っている。ロジックが複雑であったり、位置関係が入り組んでいたりすると間違いがあっても見つけにくい。これは行や列が不規則であったり、罫線やハイライトが不規則となっているようなフォーマットが整っていない場合も同様である。2とも関係する部分があるが、敢えて検算の仕組みを設定していなかったとしてもフォーマットが整っているだけで、ミスが放置される可能性はぐっと低くなる。


社会人になりたてのころは自分でも信じられないほど、ミスが多かった。結果としてチームメンバーにも迷惑をかけたことがあったが、今思えば当たり前だった。当然ミスが発生していることを検出するような仕組みを作ることもなかったし、分析のフィーマットもぐちゃぐちゃで、見直しもしてあまりしていなかった。しかし、これまでに挙げた3つのことをしっかりやるようにしてから、ミスをしてチームに迷惑をかけることはなくなった。2、3はエクセルでの作業を例として説明しているが、コンセプト自体はそれ以外の場合でも役立つはずだ。もしうっかりミスが多くて困っているなら、是非上述の3点を試してみたらいかがだろうか。