日系の企業は基本的に総合職と一般職という区分で採用を行っているが、外資系企業は部門ごとに採用を行っていることも多い。外資系投資銀行の場合で言うと、トレーディングアンドセールス(S&T)、リサーチ、インベストメント・バンキング(IB)、オペレーション、ファイナンスなどは部門ごとに採用を行っている。
外資系金融の仕事を語るときには、その中でもS&TやIBといった部門をフロント、オペレーションやファイナンスをバックオフィスといったりする。詳しく知りたい人はイカのサイトを見てほしい。
投資銀行・証券会社の仕事(バックオフィス編) - 2 be ambitious
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ではフロントオフィスかバックオフィスかで悩んだとしたら、どうして決めたらいいのだろう?
M&Aのフィナンシャル・アドバイザー(以下、「FA」)業務の一環としてデューデリジェンス(以下、「DD」)のサポートをしていると、対象会社の経理部や法務部、人事部といった、外資系でいうバックオフィスやアドミに分類される人たちと一緒に作業をすることも多いが、概ねいくつかの共通の傾向がある。
外資系金融でバックオフィスでの知り合いと話していて、それらの傾向は外資系でも同様だと感じたので、迷った際には自分はどうなのか考えてみて、フロントかバックか決めるのがよいだろう。
なお、DDというのは、企業を買収する前に、企業が本当にそれだけの価値があるのかということを調査・検証する作業のことで、実際に工場を見たり、提供されるサービスを受けてみたりすることもあるが、多くの場合は買収対象に書類等の資料を開示してもらい、財務や法務の専門家が分析するプロセスのことだ。
1. ルールに忠実
業務では基準やルールに従って行動することが求められるので、特定の基準に従って何かをすることはとても得意。
しかし、何をするにしても必ず基準や規則を求める。例えば、「事業の観点で重要な資料を開示用意してください」と依頼すると、必ず「重要の定義がわからないので対応できない」となる。
そこには、「○○の観点で重要なものを集めてみました」というような創意工夫や、どうしたらできるかという代替案を提供するような姿勢が見られることはまれだ。しかし、一度基準が定まると、どれほど面倒な作業でも黙々と行う。(行ってもらわないとこまるのだが。)
そもそもバックオフィスはフロントオフィスのサポートや管理を行うのが業務なので、規則やルールを重視することはその部門が果たしている役割上当たり前でもある。
フロントが規則に従っているかチェックしたり、コントロールしたりする部署が規則に従わなかったら、話にならないので、まず基準を求めるという思考回路もうなずける。
2. ワークライフバランスが最優先
M&Aの一番忙しい時だろうと何だろうと、定時になればサクッと退社し、土日も休む気満々。誤解のないように言うと、これ自体を批判しているのではない。これは労働者として当然の権利だ。
一方で、フロントの人は、どうしたらより案件が円滑に進むのか考え、必要であれば残業もして、土日も臨戦態勢でいる。両者を比べると、完全にマインドセットが異なるのだ。ワークライフバランスの重点が異なるのだと思われる。
まとめ
当然他にも違いはたくさんあるだろうが、もしフロントかバックかで迷うようなら、まずはルール(=定型化されたもの)に従って働くことが好きか、ワークライフバランスを自分はどの程度重視するのかという点で自分の考えや好みを整理してみるとよいかもしれない。
あなたは、ルールは破らない程度に、目的のためにいろいろためすのが好きなのか、それともルールに従ってひたすら処理していくことが好きなのか。