一鳴驚人日記

外資系企業でM&A関係の仕事をしている若僧のブログ。キャリアや時事ネタに関してその時々に感じたことを書いていきます。

仕事は好きなことをやるべきか、得意なことをやるべきか

林修さん-プロ論。-/リクナビNEXT[転職サイト]

 

「やりたいことが見つからない、なんていう人がいるけど、やりたいことをやるんじゃなくて、やるべきことをやればいい。ただ、それだけです。」

 

本当にそうだと思います。

 

仕事においては、「好きなこと=得意なこと」というのが一番いい。これはなんの問題もない。では、これが両立しない場合どうするのか。好きなことをやるべきか、得意なことをやるべきか。ミュージシャンにしてみたら自分の好きな音楽をつくるのか、売れる音楽をかくのか。

 

仕事とは何か。ここでは、他者のニーズを満たすこと(価値を提供する)によってそれに見合う対価を受け取る行為とする。ものづくりをやっていれば、他の人が欲しがるものをつくって、それに対する対価をもらう。サービス業で働いていれば、人にサービスを提供してそれに対して対価をもらう。

 

対価をもらうのだから、当然それに値する製品なりサービスなりを顧客に提供する必要がある。

 

あることをするのが好きなこととあることをすることによって他の人に価値を提供できることは直接的には無関係だ。たとえば、私は歌うことが好きだが、私は歌うことを職業として生活していくことはできない。対価を払ってもらうに足る価値が提供できないからだ。

 

一方で、あることをすることが得意ということは、他の人がするよりもよい結果を出せるということだ。それは、より高い価値を提供することができることに直結する。あなたが他の人よりも交渉することが得意であれば、仕事で他の人よりも多くの契約を獲得することが可能だろう。こうして見ると、やはり仕事は得意なことをやるべきだということになる。

 

もちろん、好きな事をしたほうが、熱心にやるし、長続きするので、その結果提供できる価値が高まることもあるだろう。だから、仕事は好きな事をやったほうがいいという主張もあるかもしれない。

 

しかしこの場合、きっかけは「好きだから」だが、結局それが「得意に」なっているということなのだ。

 

就活などでやりたいことが見つからないといって悩んでいる人がいるが、むしろ得意なことを見つけるべきじゃないかと。「得意なことがないからまずは好きな事をやってみようと思っているんだよ!それすらも見つからないから悩んでいるんだろ!」って言われそうだが、絶対的に得意なことじゃなくてもいい。

 

もちろん、他の人よりもっと成果が出せる方が良い。しかし、あくまで、自分ができないことを消去法していって、残っているので良いだろう。それが仮に他の人よりも成果が上がらないかもしれない。「自分は営業するのは苦手だし、クリエイティブでも無いが、数字には比較的強い。それでも同僚や友達に比べると全然だ。。。」ということもあるだろう。でも、自分ができることの中で一番高い価値が提供できることがそれしかないんだから、それを頑張るしかない。

 

ちなみに、以前こんなちきりんがこんなこと書いてましたが、個人的には好きなことをやっている方が顧客視点を無視しているきがするのだが。

http://blogos.com/article/57962/

まぁそもそも、彼女の言う「強み」と上で述べた「得意であること」の定義が違うからだけど、需要が無いことがいくらうまくできたって意味がないことは同意するが、それって「強み」と言うんだろうか。