一鳴驚人日記

外資系企業でM&A関係の仕事をしている若僧のブログ。キャリアや時事ネタに関してその時々に感じたことを書いていきます。

瀋陽旅行 ~その2:昭陵(北陵)と羊肉串~

前回に引き続き瀋陽で訪れた場所について書きます。

昭陵(北陵)


世界遺産にも指定されている、清朝の2代目皇帝ホンタイジの広大なお墓が、現在では公園となっている。お墓といっても墓地のようなものではなく、山があり池があり、城郭もあり、楼閣もあって当時の皇帝の威厳が伝わってくる。瀋陽市の北側に位置しているため、通称北陵と呼ばれる。他に東陵があるが、ホンタイジの父親であり清朝の祖とされるヌルハチのお墓である。


実はホンタイジの息子である清朝3代目皇帝順治帝以降の康熙帝乾隆帝のお墓は河北省の東陵なのだが、ヌルハチホンタイジのお墓が瀋陽にあるのは、両者の治世では清朝は現在の中国の東北部を支配し、朝鮮を屈服させるに留まり、中国の中原を支配するに至ってなかったことが背景にある。


シャングリラホテルから車でおよそ30~40分のところにあり、バスでも地下鉄でも行くことができる。地下鉄の2号線に北陵公園駅という駅がある。公園の入場料は50人民元(2014年年末時点で約1,000円)。ただし、後で紹介するいかにも史跡なところに入場しないということであれば6人民元だ。

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入場して1.5キロの街道が続き、両脇は木々が生い茂り、湖と呼んでもいいような池がある。池では、夏はボート、冬は水面が凍結することを利用してスケートやソリなどを多くの人が楽しんでいる。どれもちなみに有料である。

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街道が終わると大きな門が見えてくる。

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くぐると楼閣や城壁が出現する。外壁などは色褪せ、損傷が激しい部分があらわにあっていたりするが、それもまた数百年間、夏は暑く冬は寒い厳しい気候の中で風雨や豪雪にされされた楼閣が旅してきた悠久の時を思わせる。


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建物の細部には精緻な彫刻が施されており、スケールの大きさと細部に至る精緻さがまた程良くコントラストを醸し出している。


楼閣の夕焼けの姿は風情を感じさせるものがあり、三国志演義等の中国歴史小説を嗜んだことがある人にとっては、数百年、数千年前も人々の目にはこのような夕焼けが映っていたのであり、歴史好きの人はなんともいえない浪漫を感じることだろう。
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今回の訪問では幸いにも天気が良かったが、風の強い日は身を切るような寒さに凍えることになるため、防寒には万全を期したい。寒さが気にならない人は、雪景色もまた素晴らしい景観になるとのことなので、降雪後に訪れてみるのも一興だ。

清真教美食街


北陵を回って空腹になったら、回族が多く住む地域にある清真教美食街に訪れてみるのがいいだろう。車で15分程度なのでタクシーで行くのが良いかもしれない。

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自分は午後に訪れたので閑散としていたが、夜は賑やかになるという。昼間に訪れてしまったら、写真の入り口のすぐ右手側のお店は営業している。
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回族料理では、羊肉串という羊の肉に香辛料を振って焼き上げた串焼きが有名で、中国でも他の地域から瀋陽に遊びに来る際に食べることも多い。ここの肉は新鮮で美味しかった。そこらへんに羊が丸ごとぶら下がっていたりするのもなかなか豪快だ。

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トウガラシのほかに独特のスパイスが効いていて、日本ではなかなか食べられない味だ。


今回紹介した故宮や北陵の以外に、瀋陽には他にも通称大帥府と呼ばれる奉天軍閥張作霖・張学良父子が居した近代西欧式の建築物や棋盤山国際観光区といった風光明媚な場所もあり、再訪する際にはぜひそれらも訪れてみたい。