先日、ファストフード店の時給を1,500円以上に上げるべきだ、というデモが各地で開催された事が報じられていた。
それに対して、いろいろな意見が寄せられていた。zasshi.news.yahoo.co.jp
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ところで時給1,500円というのはどういう水準なのだろうか。実は、投資銀行に勤めているM&Aバンカーと同じ水準なのである!
投資銀行に勤めているM&Aバンカーと聞くと、巨額のボーナスをもらう高給取りで、タワーマンションに住み、高級フレンチを食べ、バケーションには5星のリゾートホテルというイメージを持っている人も多いだろう。
実際数年働いている人であれば、そういう生活をしている人も少なくない。
しかし、特に入社1〜3年で一番低いアナリストと呼ばれるタイトル(職位)のプロフェッショナルの時給を計算してみると、景気の良し悪し(=ボーナスの多寡)次第の面があるが、実は時給はあまり高くない。入社して、先輩からしてはいけないこととして、一番最初に教えられたのが、時給を計算することだった。
最近は金融市場が回復していることもあって一時期に比べるとだいぶボーナスの水準が高くなった分給料が上がっているが、それでも労働時間で割ってしまうと現実が見えてくる。
実際に計算してみよう。
前提
アナリスト1年目
ベース(基本給)は700万円、ボーナスが100万円
ボーナスは一番よくてベースの1年分にもなるが、1年目は半分トレーニングみたいなものなので、通常大したことはない。
毎日9-26時で働くと、一日17時間。
毎月平均して22日働くとすると一年間の労働時間は
A: 17x22x12 = 4,478時間
土日も片方は日中出勤することが多いので、週末10時間働くとすると、年間は52週間あるが、年末年始と夏のバケーションを除くので
B: 10x50 = 500時間
年末年始と夏のバケーションはさすがにとれるので、平日もその分を調整すると、2週間除くと
C: 17x10 = 170時間
年間労働時間は上記A+B-Cなので、4,888時間となる。
時給を計算してみると
8,000,000 / 4,888 = 1636.6円
ご覧の通り、マックの従業員は時給単価で言えば投資銀行IBの初任給レベルの水準を要求しているのだ。あなたはこの水準が安いと思うだろうか、それとも高いと思うだろうか。