一鳴驚人日記

外資系企業でM&A関係の仕事をしている若僧のブログ。キャリアや時事ネタに関してその時々に感じたことを書いていきます。

転職エージェントやヘッドハンターに聞くべき質問をまとめてみた

M&A関連の業界は転職が活発なので、ヘッドハンターから連絡をもらうことも多い。最近は特にLinkedin経由のコンタクトが多く、週に少なくとも一人は絶対新たなヘッドハンターから声をかけられる。それだけ、景気がよく、各社とも採用を増やしているということなのだろう。

以前はヘッドハンターに会うたびに何を話すか考えていたが、最近ヘッドハンターに会うことも増え、毎回いちいち何を話すか考えるのも非効率的なので、自分なりのルーティンというかテンプレートを作ってみた。

話すべきこと=ヘッドハンターに対する質問は、以下の4つのカテゴリーに分類でき、以下で個別に見ていくことにする。

1. エージェントのこと
2. 紹介された会社のこと
3. その会社を紹介された理由
4. 出口戦略

1. エージェントについて

まずは、連絡してきたヘッドハンターが話すに値するかどうか判断する必要がある。

1-1. エージェント会社

リクルートのような誰でも知っているような会社もあれば、ロバートなんちゃらというような聞いたこともない外資系の会社もあるので、まずはその会社がどのくらいビジネスをやっていて、どの分野に特化し、どの程度の実績があるのか聞くようにしている。言うまでもなく、自分が興味のある転職先の業界とエージェント会社の得分野がマッチしている方がよい。

1-2. ヘッドハンター自体の経歴

人材紹介業界も転職が活発で、長年勤めている人ばかりではない。やたら会社を推薦してくるものの、その業界のことや会社のことについて質問するとあまりよくわからないというケースもままあるし(もちろんリサーチ不足なだけかもしれないが)、後述する会社の人事制度や評判、出口戦略はある程度業界経験を持っていた方が有用なアドバイスができるはず。

2. 紹介された会社の基本的な情報

2-1. 実際の業務

場合によっては職務案内を送ってくれれば事足りるかもしれないが、やはりこれは聞いておくべきだろう。

2-2. 年収

応相談なので現在の年収を教えてほしいと言われることも多い。大体の目安は確認したい。紹介されているポジションではいくらで、昇進するといくらなのか。

2-3. 期待される役割、スキル

これがマッチしないと転職して入社する側も、受け入れる側も不幸になるだけなので、事前にしっかり確認する。会社のカルチャーにもよるが、外資系だと無理して入ってもすぐにクビになるだけなので。

2-4. トップの経歴

M&Aに限って言えば、トップ層の人脈と経験が非常に重要なビジネスなので、業界経験の長さは念頭に入れておく必要があるだろう。M&A事業会社にとってみれば、一世一代の大勝負であることも多いので、付き合いが浅い人にはやはり依頼しにくい。また、M&A業界のように、少数精鋭志向で会社・部門のの規模が小さい場合には、トップの方針や性格が職場に大きく影響を与えるのでその意味でもトップについてはいろいろと情報を集めておくに越したことはない。

2-5. チームの状況、人数、働き方

管理職の下に自分ひとりの場合と、4~5人いる場合では責任の重さも仕事の圧力も異なってくるので、一緒に働くことになるチームのことも聞ければ聞いた方がよい。もちろん、チームの人数が少ないという印象を持つ場合には、その原因が、事業立ち上げ中なのか、自主退職が多いからなのか、解雇が多いからなのかも要チェックだ。

2-6. ビジネスのサイクル

紹介された会社はそもそも景気変動に関してどうなのか。会社の成長ステージとしては、新興企業なので業容を拡大しているのか、それとも辞職した担当者の補充なのか。

2-7. 今後の戦略

会社が成功して行かないといくら頑張ってもリターンは限られてくるので、どのような成長を目指しているのかについては理解しておく必要があるし、自分なりにその達成角度を判断する必要があるだろう。

2-8. 会社の特徴

結局会社の強み・弱みはどんなところで、それは自分のスキル、経験、専門を活かせるのかどうか。今後も持続可能なビジネスなのか。

2-9. 直近の業績

どんなにいい戦略があっても実績が悪ければ、足元のボーナスはあまり期待できないということになるし、何らかの課題を抱えているはずなので、一つのベンチマークにはなるだろう。

3. エージェントが進める理由

紹介してくるからには、なんらかマッチすると思った理由があるはずだ。第三者としての視点や自分が見えている選択肢以外の選択肢を提供してもらえるという点で非常に価値があると思っている。理由もなく推薦してきている場合は、それ以上話すに値しない。

4. 出口戦略

4-1. 直近辞めた人数

大量に人が辞めている時は要注意だ。

4-2. 辞めた人の理由

聞き出すのは難しいかもしれないが、興味を持っている会社であれば、複数のエージェントから情報をとってクロスリファレンスしてみるのもありだ。

4-3. 辞めた人のキャリア

業界がら個人的にはこの項目は大事だと思っている。一生勤める会社であれば不要かもしれないが、万一のことに備えるという意味で、その会社を出る必要がある時に、どんな選択肢があるのかということは把握しておきたい。その会社に転職することで後のキャリアの選択肢が広まるのか、狭まるのかという点は、考慮するに値する。投資は常に出口戦略をイメージしてから行うものだ。

最後に

経験上これらの質問の全てに応えられるヘッドハンターはなかなかいないし、自分の希望のすべてに合うとことも難しいと思うが、転職するということは一大事であり、それを手伝ってもらう以上、これくらいのことは把握していく必要があると思っている。